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長谷 純宏; 山口 樹紀*; 井上 雅好*; 田中 淳
International Journal of Radiation Biology, 78(9), p.799 - 806, 2002/09
被引用回数:35 パーセンタイル:88.24(Biology)植物におけるイオンビームの生物学的効果比(RBE)と線エネルギー付与(LET)との関係を調査するため、タバコ種子に92260keV/mのLETを持つカーボンイオンを照射し、生存率並びに根端細胞での染色体異常を調査した。線に対するRBEは、生存抑制効果についてはD37,染色体異常誘起効果については50%の染色体異常頻度を誘発するために必要な線量の比よりそれぞれ求めた。RBEはLETの増加に伴って増加し、230keV/mのLETでピークに達した。線に対するRBEの最大値は生存抑制効果については65.0,染色体異常誘起効果については52.5であった。LET-RBEの関係は両指標についてよく似たパターンを示した。発芽直後の根端分裂組織で観察される染色体異常のタイプは放射線の種類によって差がみられなかった。根が伸長するにしたがって染色体異常頻度は序々に低下した。また、染色体断片は染色体橋に比べて速く減少した。カーボンイオンを照射した根では線を照射したものに比べて染色体異常の消失の速度が遅いようであった。
長谷 純宏; 下野 和彦*; 井上 雅好*; 田中 淳; 渡辺 宏
Radiation and Environmental Biophysics, 38(2), p.111 - 115, 1999/07
被引用回数:35 パーセンタイル:73.27(Biology)タバコにおけるイオンビームの生物効果、得に染色体異常の誘起について調査した。1~111keV/mのLET効果を持つC,He及びHビームを乾燥種子に照射した。発芽後の根端分裂細胞では、染色体橋、染色体断片及び遅延染色体などの異常が認められ、それらの頻度は線量に対応して直線的に増加した。半致死線量及び10%の染色体異常誘起に必要な線量から算出したRBE値はCで14.3-17.5、Heで7.0-8.3、Hで7.8であった。また、イオンビームでは染色体断片が、線では染色体橋が相対的に高い割合で観察された。このことから、イオンビームによる損傷の修復過程は線によるものとは異なると考えられた。